2027年1月、Gmailで他社のメールアドレスを扱ってきた3つの機能が終了します。
Gmail の Gmailify と POP の今後の変更について
他社アドレスを差出人にして送る「送信元」機能、他社メールをPOPで取り込む機能、そして受信トレイの整理機能まで及ぶ「Gmailify」です。
名刺やWebサイトに独自ドメインのメールアドレスを載せて、Gmailの画面だけで送受信している方は、対象になっている可能性があります。
本記事では、自分が対象かどうかを確認する方法から、送信元機能が終了した場合の移行先まで、順を追って解説します。
「Gmailで他社メールが全部使えなくなる」わけではない
他社のメールアドレスがGmailで一切使えなくなるように感じられるかもしれません。しかし実際に終了するのは、次の3つの機能に限られています。
1つ目は、他社のアドレスを差出人にして送信する「送信元」機能。
2つ目は、他社のメールをPOP(メール受信用の通信規格の一つ)で取り込む機能。
3つ目は、他社のメールにGmailの迷惑メール対策や整理機能を適用する「Gmailify」です。
ここで押さえておきたいのが、受信と送信では影響の大きさが違うという点。受信については、他社のメールサービス側で自動転送を設定すれば、これまでどおりGmailの受信トレイで新着メールを受け取れます。
一方、そのアドレスを差出人にしてGmailから返信する「送信元」機能には、パソコンの画面で完結する代わりの手段がありません。
つまり、今回の変更で最も影響が大きいのは送信側。この記事では、受信と送信を分けて、自分に必要な対応を確認していきます。
何が終わるのか。3つの機能を整理する
ここからは、終了する3つの機能をひとつずつ見ていきます。それぞれ何ができて、いつまで使えるのかを確認しましょう。
1.送信元(差出人)機能
自分が持っている他社のメールアドレスを差出人に指定して、Gmailの画面から送信できる機能です。Googleのヘルプページでは「送信元」、別のページでは「差出人」と表記されていますが、同じ機能を指しています。
パソコンのGmailとスマホのGmailアプリ、どちらからの利用も対象。終了時期は2027年1月で、それより前の2026年第3〜4四半期は移行期間にあたり、新規の設定は制限される場合があります。
2.他のアカウントのメールを確認(POPでの取り込み)
Gmailが他社のメールサービスに定期的にアクセスし、届いたメールをGmailの受信トレイに取り込んでくれる機能。POPとは、メールを取得するための古くからある通信規格の一つです。
こちらは2026年第1四半期以降、新規ユーザー向けの提供がすでに終了しています。既存の利用者が使えるのは2027年1月まで。パソコンのGmailからは、この設定項目自体がなくなる見込みです。
3.Gmailify
他社のアドレスに、Gmailの迷惑メール対策や受信トレイの整理機能を適用する仕組みです。POPでの取り込みと進み方は同じで、新規ユーザー向けの提供はすでに終了しており、既存利用者が使えるのは2027年1月までです。
この3つを組み合わせることで、複数のアドレスをGmailの画面ひとつにまとめて管理できていました。
変わらないもの・終わらないもの
続いて、今回の変更で終わらないもの、変わらないものを確認しておきましょう。
当てはまるものが多いほど、心配する必要は少なくなります。
- Gmail同士のエイリアスと、Google Workspaceの送信元機能:別のGmailアドレスや、Google Workspace管理者が設定した別名から送る形は、これまでどおり利用可能。今回の対象はGoogle以外のアドレスに限られます。
- 他社側からGmailへの自動転送:他社のメールサービス側で転送を設定し、Gmailに届かせる形は今回の変更とは別の仕組みです。
- スマホのGmailアプリに、他社アカウントを独立して追加する形:Gmailアカウントに紐づけるのではなく、独立したアカウントとしてアプリに追加する形は継続します。読むことも送ることも可能です。
- メールソフトからGmailを見る形:Thunderbird、Outlook、Apple MailなどからIMAPやPOPでGmailにアクセスする使い方は維持されます。Gmail APIも同様です。
- 一回限りのインポート:他社アカウントからメールと連絡先を取り込む「メッセージと連絡先のインポート」は残りますが、一回だけの取り込みで、その後は同期されません。
- すでに取り込んだメール:過去にGmailへ入ってきたメールが消えることはありません。
こうして見ると、影響を受けるのはあくまで「Gmailの画面だけで他社メールを送受信する」という使い方の一部だとわかります。
いつまでに何が起きる?終了スケジュール早見表
ここで機能ごとにスケジュールを整理しておきましょう。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2026年1月 | POP取り込みおよびGmailifyの新規提供が終了 |
| 2026年8月(現在) | 送信元機能の終了案内を開始(対象者のGmail画面上に通知を表示中) |
| 2026年9月〜12月 | 既存の3機能は稼働継続/新規設定は制限される可能性あり |
| 2027年1月 | 送信元機能・POP取り込み・Gmailifyが完全に終了 |
表からわかるとおり、POPとGmailifyは新規ユーザー向けの提供という意味ではすでに終わっている一方、今使っている人の利用自体は2027年1月まで続きます。
送信元機能についても、完全終了は2027年1月ですが、それより前の移行期間中に新規設定ができなくなる可能性がある点には注意が必要です。
影響を大きく受ける方
ここまでの確認で対象だとわかった方に向けて、実際にどんなケースで影響が大きくなるのかを具体的に整理します。
パターン1:独自ドメインの会社用メールアドレスを、無料のGmailで運用している人、名刺や請求書、契約書、Webサイトの問い合わせ先に独自ドメインのアドレスを掲載し、返信もGmailの画面から行っている場合です。個人事業主やフリーランス、法人化していない小規模事業者に多い運用形態で、今回の変更で最も影響が大きいパターンといえます。
パターン2:プロバイダ提供のメールや、契約当初から使うアドレスをGmailに集約している人 取引先や顧客とのやり取りに使い続けているアドレスを、Gmailの画面だけで読み書きしている場合です。受信は自動転送に切り替えれば残せますが、返信の差出人はGmailアドレスに変わってしまい、取引先への周知が別途必要になります。
パターン3:部署や店舗の代表アドレスを、担当者個人のGmailから運用している人 問い合わせ窓口用のアドレスや、営業担当が個別に持つ取引先向けアドレスなどが該当します。担当者が一人で運用し、その人のGmailにアドレスをぶら下げている形だと対象になります。
受信だけ今のまま続けたい場合の対処法
送信は別のアドレスから行っても構わないので、とにかく受信だけはこれまでどおりGmailの受信トレイで見たい、という方も多いはず。この場合の対処法はシンプルです。
他社のメールサービス側で「Gmailへの自動転送」を設定します。Yahoo!メールやプロバイダ、レンタルサーバーのメール管理画面には、多くの場合「転送設定」という項目があり、そこに自分のGmailアドレスを登録するだけで完了。設定するのはGmail側ではなく、他社のサービス側という点がポイントです。
転送設定さえ済ませれば、新着メールはこれまでどおりGmailの受信トレイに届き続けます。ただし、そのアドレスを差出人にしてGmailから返信する機能には代わりがないため、返信も多く発生する場合は次の章で紹介する送信用の選択肢もあわせて検討してください。
送信も今のアドレスのまま続けたい場合の4つの選択肢
受信だけでなく、これまでどおりのアドレスから送信も続けたい場合は、次の4つの選択肢から選ぶことになります。それぞれの向き・不向きを見ていきましょう。
選択肢1:そのメールサービス純正の画面を使う
Yahoo!メールならYahoo!メールのサイトやアプリ、Outlook.comならOutlookの画面から直接送信する方法です。確実に公式のインターフェースを使えるため信頼性が高い一方、複数のスタッフで問い合わせ対応をしている場合は、担当者ごとに別々の画面を確認する必要があり、対応漏れが起きやすくなる点には注意が必要です。アドレスが1〜2個程度なら、最も手間の少ない選択肢になりやすいでしょう。
選択肢2:パソコンのメールソフトにまとめる
Thunderbird、Outlook、Apple Mailなどのメールソフトに、複数のアドレスをまとめて登録する方法。GmailもIMAP(メールをサーバー上で管理する通信規格)で同じソフトに追加できるため、Gmailと他社アドレスを一画面で扱えます。設定には、各サービスの送信サーバー情報(ホスト名、ポート番号、暗号化方式、ユーザー名)が必要です。
選択肢3:スマホのGmailアプリに独立したアカウントとして追加する
Gmailアプリの左上のメニューからアカウントを追加する方法です。Gmailアカウントにぶら下げるのではなく、独立したアカウントとして追加する形なら、読むことも送ることも継続できます。Google公式もこの方法を移行先の一つとして案内しています。パソコン中心の方には向きませんが、スマホでの業務が中心なら手早い選択肢です。
選択肢4:独自ドメインを運用しているならGoogle Workspaceに移す
有料にはなりますが、Gmailと同じ画面のまま、独自ドメインのアドレスで送受信を続けられる点が最大のメリット。取引先への周知や名刺の刷り直しが不要になるため、独自ドメインの会社用アドレスを運用している事業者にとっては検討する価値があります。契約内容や料金は状況によって変わるため、個別の確認が必要です。
こうして見ると、アドレスの数が少なければ選択肢1、複数のアドレスを一括管理したいなら選択肢2、スマホでの業務が中心なら選択肢3、独自ドメインの運用を今後も続けるなら選択肢4、という選び方が目安になります。
「代替ツール」「拡張機能」への安易な利用は避ける
送信元機能の終了に合わせて、代わりになると謳う外部サービスやブラウザ拡張機能が増える可能性があります。Google自身も、こうしたツールへの注意を呼びかけています。
Google公式ヘルプには、送信元機能と似た機能を提供するサードパーティ製ツールやブラウザ拡張機能について、メールの認証情報やOAuthトークン(第三者にアカウントへのアクセス権を渡す仕組み)へのアクセスを求めるものが多く、安全性や信頼性、データの取り扱いを保証できないと明記されています。
加えて、機能終了のタイミングは、これに便乗した詐欺が発生しやすいタイミングでもあります。「Gmailの移行が必要です」といった案内を装ったフィッシングメールも報告されており、リンクや添付ファイルをクリックする前に、送信元のドメインをよく確認する習慣が欠かせません。
乗り換え先を探すときは、まず公式に案内されている方法(他社側の自動転送、メールサービス純正の画面、パソコンのメールソフト、Gmailアプリ)から検討し、それで足りない場合にのみ他の手段を検討する順序がおすすめです。
独自ドメインメールを安全に使い続けたいなら、Google Workspaceという選択肢も
ここまで見てきたとおり、独自ドメインのメールを無料のGmailで運用している場合、送信元機能の終了によって、これまでと同じ操作感を保つのが難しくなります。
選択肢4で紹介したとおり、Google Workspaceに移行すれば、Gmailと同じ画面のまま独自ドメインのアドレスで送受信を継続できます。名刺や請求書を刷り直す必要がなく、取引先への周知も最小限で済むのが利点です。あわせて、迷惑メール対策やセキュリティ機能も強化されるため、今回のような仕様変更に振り回されにくくなります。
無料の代替手段(自動転送・メールソフト・スマホアプリ)で十分な場合は、そちらを選んでも構いません。一方で、今の運用感をなるべくそのまま続けたい方や、独自ドメインのメールを事業の顔として使い続けたい方には、選択肢の一つとして検討する価値があります。ムームードメインでは、独自ドメインとあわせてGoogle Workspaceの導入をサポートしています。
まだ、Google Workspaceを導入されていない方向けにオンライン相談もご用意しております。
まとめ
Gmailで終了するのは、送信元機能・POPでの取り込み・Gmailifyの3つに限られ、受信は他社側の自動転送で無料のまま続けられます。
影響が大きいのは、独自ドメインのメールを無料Gmailで運用している方の送信部分です。
まずはGmail設定の「アカウントとインポート」タブを確認し、自分が対象かどうかを見極めるところから始めてみてください。



